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冤罪と権力乱用の経緯 2008年3月

不当逮捕を厳しく断罪する

事件の経緯

去る三月十九日午前七時四十分すぎ、東京都内に住む伊藤さん宅 に突然、警視庁野方署の刑事達が来訪、伊藤さんを逮捕してしまった。
この時、伊藤さんの夫はすでに出勤後だったため、夜になるまで、誰も伊藤さんが逮捕されたことに気付く者はなかった。
警察によれば弁護士以外は接見禁止だというので、依頼を受けた弁護士が夜のうちに伊藤さんが留置されている板橋署に出向いて伊藤さんに接見。話を聞いた結果、どのような嫌疑がかけられているか、が判明した。

それによると、昨年十月二十九日、伊藤さんと、生田さんの二人は、都内中野区に住むI婦人(78歳)の家に行った。
伊藤さんと生田さんは、日蓮正宗理境坊の檀信徒の講である「妙観講」の講員であり、訪問先のI婦人は創価学会員である。創価学会は平成3年に日蓮正宗から破門になっており、この日、伊藤さんと生田さんは、I婦人に創価学会の誤りを話し、学会を辞めて日蓮正宗に戻るよう、勧めるために訪問したものであった。
I婦人には事前に伊藤さんが電話をかけ、すでにI婦人が学会活動にも出ていない事を聞いた上で、I婦人に住所を尋ね、家を訪問した。 I婦人は二人を快く家に上げてくれ、話が始まった。
そして「創価学会はすでに日蓮正宗から破門されていること、一日も早く脱会して日蓮正宗に戻るべきこと」等を話したところ、I婦人はすんなりと納得して脱会することとなり、その意志を表明する用紙に署名・捺印をした。
次に、仏壇に掛けてある本尊が学会製の本尊であることが判ったため、日蓮正宗に戻るためには、これを処分しなければならないことをI婦人に説明、納得したI婦人は、本尊を仏壇から外し、家の中からハサミを持ってきて切断した。
その際、生田さん達は、「本尊処分は必ず本人の手で行なうこと。代行してはいけない」と妙観講で指導されている事を守って、きちんと本人自身の手で本尊を切断してもらった。
その後、念のため、〝I婦人本人が学会製本尊を破却した〟という確認書にサインをもらい、I婦人からはお茶を勧められる等の和やかな雰囲気の中で、伊藤さんが「何かあったら、いつでも連絡してくださいね」と言って、自らの住所・氏名・電話番号・連絡先をメモに書き、持参してきた資料と共に渡して帰った。
ところが、その後、I婦人が創価学会を退会した事態に気付いたI婦人の周囲の創価学会男子部から、伊藤さん宛に脅迫する電話やメール、貼り紙等の嫌がらせが相次ぎ、伊藤さんとI婦人との間は遮断され、I婦人は学会の中に囲い込まれてしまった。

以上が五ヶ月前の経過であるが、それが今回、次のような全く異なる話にデッチ上げられていたのである。

〝伊藤・生田の二人は宅配便の業者であると偽って強引にI婦人宅に侵入し、おびえているI婦人の手を押さえ付け、無理やりにペンを握らせて、書類に署名・押捺させた。さらに、勝手に仏壇から本尊を外してハサミで切断した〟 と。そして二人にかけられた嫌疑は、「住居不法侵入」「強要」「器物損壊」だというのである。
こんなふうにデッチ上げるのなら、どんな罪でも作り出すことができてしまう。それに、この内容は、過去に学会員らが虚偽の告訴や提訴をしようとして、繰り返し妙観講の講員達に仕掛けてきた内容と、ほとんど同じ手口である。
そもそも、犯罪を犯した者が、わざわざ自分の住所・氏名・連絡先を書いて相手に渡してくる、などということがあるはずがない。
さらに、書類に押した印鑑や本尊を切ったハサミは、家の中のどこから持ってきたのか、I婦人以外に置き場所を知る者はいないではないか。
少し考えただけでも、おかしな点が次々と出てくるが、しかし警視庁は、I婦人からの訴えだけを根拠に、全く事情聴取すらせずに、いきなり伊藤さんの逮捕に踏み切ったのである。 当然のことながら伊藤さんは嫌疑を全面否定している。

一方、この伊藤さんの逮捕によって、自分にも故なき嫌疑がかけられていることを知った生田さんは、その翌二十日、自ら三度も野方警察署におもむき、「私の友人が不当逮捕されました。私も容疑者らしいので、私からも事情を聞いてください。私は逃げも隠れもしませんから、担当の刑事さんに会わせてください」と繰り返し求めたが、野方署はこれを無視。さらに翌々日にかけて二回も野方署に電話をかけたが「事情を聞く必要はない」等と言って、全く事情聴取に応じなかった。
そして、二十四日の朝七時五十分、生田さん宅に野方署の刑事達が来訪し、生田さんもいきなり逮捕令状を見せられ、逮捕されたのである。 この異常な事態の中で、今度は翌二十五日の午後、フジテレビが生田さん・伊藤さん及び妙観講の実名を上げ、あたかも被疑事実があったかのごとき断定的見出しをつけて報道に及んだのである。

これに対し、妙観講の広報部がフジテレビに厳重抗議、名誉毀損報道として法的措置も検討する旨、注意をしたところ、報道は止まった(インターネット上のFNNニュースからも直ちに削除された)。
それにしても、警察発表もされていないのに、フジテレビは何に基づいて、否、いかなる力の働きかけによって、裏付け取材もしないまま実名報道に踏み切ったのか。   時間の経過と共に、各方面からも「この事件はおかしい」「これは明らかに不当逮捕だ」等々の声が出ており、今回の事件が仕組まれた虚偽告訴・不当逮捕・偏向報道であることを物語っている。

妙観講広報部では、 「今回の虚偽告訴による不当逮捕は、創価学会員がデッチ上げた悪質な冤罪事件であると共に、宗教活動に対する国家権力の介入・弾圧です。これに対しては告訴をはじめ、断固たる法的措置を取ってまいります。
そもそも創価学会では、これまでも、学会員に対する講員の折伏を妨害しようとして、『自宅に不法侵入されて本尊を持ち去られた』『本尊を勝手に処分された』等、今回と同様の言い掛かりを付けては、不当訴訟を企ててきました。しかし、それは悉く不発に終わり、昨年も一件、謀略的に起こした同種の訴訟が破綻し、訴えた側が訴えを取り下げざるをえなくなっています。
その延長線上に今回の虚偽告訴が行なわれたわけですが、これに踊らされる警察の動きも明らかに不当であり、何らかの圧力があったとみられも仕方ありません。このような不当な弾圧に対しては、私達は一歩も引きません」 と語っている。
ここに、事件のあまりの非道さに憤った有志が集い、「不当逮捕された生田さん伊藤さんを支援する会」を発足、警視庁・野方警察署とフジテレビに厳重抗議を申し入れると共に、両名の一日も早い釈放を求めて活動を開始した次第である。

(妙観講・法務部) 2008年3月