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「判決 日蓮正宗妙観講連続電話盗聴事件」の欺瞞と真相 2009年2月

2月12日、「判決 日蓮正宗妙観講連続電話盗聴事件」という、毒々しいタイトルを付けた本が出版されました。
この本を書いたY・K (以下K)という人物は、かつて、日蓮正宗宗門や妙観講を口汚なく誹謗し続けてきた、 FAX 怪文書「地涌」を書籍として出版した人物で、古くからの創価学会の謀略師団のメンバーです。
これまでの裁判の過程で、表に出ていなかったKが法廷に引き出され、「地涌」との関係までが浮き彫りになったばかりか、被告として厳しい追及を受けるに至ったため、敵愾心を燃やしたKは、法廷で「妙観講が盗聴という犯罪を行為をしたことを本にまとめて出版する」などと述べていました。そして、今回、妙観講攻撃のために、それを実行に移したものと思われます。

まず、この本の中でKが書いていることを、一言で言いますと、「昭和63年頃から平成3年 12 月までの約5年間に、顕正会幹部や創価学会幹部、そして日蓮正宗の末寺等を、妙観講を除名された元講員のS・W(以下Wという)が、調査会社に依頼して電話を盗聴した。Wに盗聴を指示したのは、妙観講の大草講頭と理境坊の小川御住職で、その決裁を与えたのは日蓮正宗第67世日顕上人であり、この事実が最高裁で認定された」等という、あきれ果てた内容です。
Kは、これを巧妙なスリカエによって、さも、それらしく書いており、その手口は、かつての怪文書「地涌」と変わるところがありません。もし、これまでの裁判の全体観を知らない第三者が、不用意に、この本だけを購読してしまうと、あたかも最高裁が、妙観講が盗聴に関与したと認定したかのごとく、誤解する恐れがありますので、本件の全貌について、ごく簡潔に述べておきたいと思います。

最高裁において確定した「4つの裁判」の内容 

妙観講は、平成8年から 12 年にかけて、「聖教新聞」「創価新報」といった学会機関紙や怪文書「地涌」等で、身に覚えのない電話盗聴疑惑を宣伝されました。
そして、これに関連して起きた裁判が合計4件あります。
まず、通称「U事件」「H事件」と呼ぶ二つの事件です。これは、創価学会主任を名乗っていたT・U(以下Uという)なる人物と、学会元職員のK・H(以下Hという)が「妙観講に盗聴された」といって、それぞれが損害賠償を求めて訴えを起こしたものです。
この二つの事件は、それぞれ一審・二審・三審を通じて、裁判所は「日蓮正宗と妙観講が盗聴に関与したなどという主張には根拠がない。唯一、講頭らに盗聴の指示を受けたというWの供述は、妙観講と講頭に対する強い敵愾心が伺われ、そのうえ裁判の過程で主要な部分に大きな変遷をきたしており、全く信用できない」と、妙観講の関与をきっぱりと否定したばかりか、「むしろ盗聴が行なわれたとすれば、それはW個人によって調査会社に依頼したのではないかと疑われる」と、U及びHらの訴えを斥け、この判決が確定しました。
つまり、「U事件」「H事件」の二つの裁判の合計6回の判決で、妙観講が電話盗聴に関与したという学会側の主張は、まったく真実でない、ということが司法の場で確定したということです。
そして三つ目は、通称「W事件」と呼ばれる裁判です。これは、逆に妙観講の側が起こしたもので、「元講員・Wの嘘の証言により、UとHに謀略訴訟を起こされた上、これを利用した創価学会の各種メディアによって、盗聴犯の汚名を着せられ、名誉を毀損された」として、創価学会本体と、怪文書を書籍にして流布していたKらを訴えたものです。
この「W事件」は、「U事件」「H事件」とは、裁判の争点が大きく違います。前の二つの事件は、「妙観講が盗聴に関与したのか、しなかったのか」ということが争点でしたが、「W事件」では、「妙観講のことを盗聴犯呼ばわりした学会機関紙が、名誉毀損となるか、ならないか」ということが争点でした。

判決言い渡し直前の延期、そして裁判長の交代 

この裁判では、途中までは裁判長も、〝 学会側は何の取材もせずに妙観講を盗聴犯呼ばわりした〟と認め、正当な判決が出る見通しでした。ところが裁判が結審し、いよいよ判決言い渡しの直前になって、理由もなく判決言い渡しが延期され、そうこうしているうちに裁判長は交代、いったん終結していた裁判は、型どおりやり直しされた挙げ句、とうてい納得のいかない判決が下ったのです。
判決では、「元講員・Wに取材して聖教新聞や創価新報に記事を書いたKや創価学会員らは、Wの話を信じて書いてしまったのであり、当時としては、妙観講が盗聴に関与していたと疑ったことは、仕方がなかった」として、学会やKらに名誉毀損は成立しないとし、最高裁でも妙観講の上告は棄却されました。
しかし、この「W事件」の判決は、納得のいかないものでしたが、この後の4件目の裁判にあたる「誹謗ビラ事件」では、「司法の良心」とも言うべき判決が下ったのです。
この「誹謗ビラ事件」は、妙観講が起こした裁判で、「“妙観講は電話盗聴などを行なうカルト教団である”等と、書いたビラを学会幹部らにバラ撒かれて名誉を毀損された」としてビラを作成・配布した学会大幹部らを相手に損害賠償を求めて訴えたものです。
この「誹謗ビラ事件」の判決で、東京地裁は「元講員・Wの供述は信用できない」と改めて認定し、さらに東京高裁においては、「U事件」「H事件」の判決が確定していることも念を押した上で、「妙観講が盗聴に関与したなどという証拠はない」として、ビラを作成・配布した学会大幹部らに名誉毀損による損害賠償金280万円の支払いを命じたのです。
そして、この判決が最高裁において確定しました。

合計9回の判決で、妙観講が盗聴に関与などという疑惑は、完全に無実であると証明 

このように、「U事件」「H事件」、そして「誹謗ビラ事件」の合計9回の判決で、妙観講が盗聴に関与などという疑惑は、完全に無実であると証明されているのです。
しかし、Kは、「W事件」の裁判で、妙観講が主張した名誉毀損が認められなかったことを、妙観講は盗聴疑惑の無実を主張したが認められなかったと、巧妙にスリ替え、さらには妙観講の盗聴関与が最高裁で認定されたかのごとく、読者を誤導しようとしているのです。

ですから、もし、興味本位で本を購入してしまった方がおりましたら、この点をよく理解して、Kの悪質な手口に引っかからないようにしていただきたいと思います。 ともあれ、Kが発行した悪書を読むにつけ、「W事件」で勝訴を勝ち取れなかったことが、悔やまれてなりません。 しかし、近い将来、妙観講に盗聴犯の汚名を着せたことに関して、しでかしたことの責任はキッチリ取らせたいと考えております。御期待ください。

(妙観講・法務部) 2009年2月